
フェラーリが電気自動車の弱点を克服する為、熱管理用の特許を申請
排ガスを出さないe-fuelに対応していれば2035年以降もエンジンを搭載した新車を販売できる様になり、スーパーカーマニアには朗報でしたが、フェラーリは電化に向け既に投資を進め、早くも2025年には初のBEVを発表します。
フェラーリはこれから本格的に始まる電気時代に向け電気自動車の弱点とも言える気温が低い冬にも対応する温度管理システムの特許を米国特許商標庁に申請している事が判明しています。


皆さんも身近なスマートフォンやラップトップPCで感じると思いますがバッテリーは低い温度に弱いです。
電気自動車も低い気温が弱点でアウディやポルシェの様な高級EVにはヒートパイプを搭載し電力を消費してバッテリーを温め劣化しないようにしていますが、低価格帯の電気自動車はもちろんそんな機能はありません。
でもヒートパイプを搭載している電気自動車でもヒーターを全開に使用すると航続距離が最大41%も低下させるデータもあり、熱問題は電気自動車のパフォーマンスに多く影響する問題でもあります。
フェラーリはこの問題を回避するために、2つの方法を考えているようです。
1つ目の方法は、非常にシンプルです。
充電ステーションが電気自動車のバッテリーを出発前に最適化し、車内も予熱または冷却することが可能になります。
これは車のバッテリーを使うのではなく、車がコンセントに接続されている間にグリッドから直接引き出された電力を使用します。
車内の温度調節は既存の技術を利用し、電子制御のヒートポンプで走行中の車内に入る空気の温度を調節します。
大きな違いは、あらかじめ車内を冷暖房しておくことで、走行中のバッテリーへの負担を軽減することです。
これなら、好みに合わせて冷暖房しても、出発時にはバッテリーが満タンになっています。

2つ目のソリューションは少し複雑ですが、1つ目のソリューションと同じ基本的な前提をもとに構築されています。
この新しいシステムの主な革新点は、サーマルシンクを方程式に加えることで、全体的な空調制御の効率に対処している点です。ヒートシンクとは、熱伝導性の高い媒体に熱(または冷気)を放散・蓄積させる方法のことです。
この特許の場合、シャーシフレームは、フレーム部材の中を空気が通るように形作られた様々な中空アルミニウムセクションでできています。加熱された空気は、この空気通路を通り、合金部材に熱を伝え、蓄えることになります。
この空気を加熱するエネルギーは、二次的な熱源、具体的には、独立した空気循環ファンと組み合わせた統合誘導型ラジエーターから供給されます。もちろん、これには多少の電力が消費されますが、熱効率の向上がそれを補って余りあるものです。

シャシーフレームは外部環境から遮断されますが、保持された熱や冷気を車内に伝えるために開放されています。出発前にシャシーフレームを予熱することで、車内の空気にはすでに快適な温度の輻射熱体が接触しているため、バッテリーから車内の空気を暖めたり冷やしたりする必要性が減ります。
外気温が高い場合も同様で、この場合、制御システムは通常のキャビンエアクーリングシステムを使って、キャビンフレームに冷気を循環させ、走行中に環境からキャビン内に侵入する熱を吸収するためにあらかじめ冷却しておくことになる。ただし、フレームの空気循環は、フィルターにかからない外気が車室内に入る可能性を避けるため、車室内の空気循環システムとは別になっています。
電気自動車7000台も調査した冬季および寒冷地での航続距離テスト結果が公開
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