
メルセデスベンツ122年に渡るフロントグリルの進化
自動車を象徴するデザインアイコンの一つでもあるフロントグリル(ラジエーターグリル)
1900年にヴェルヘルムマイバッハが発明したハニカムラジエーターグリルをメルセデス35PSに搭載した事により、エンジンの冷却問題が解決され、より強力で信頼性の高い自動車が生まれ現在まで作られるすべてのエンジンを搭載したメルセデスベンツに採用されています。
120年以上経ちラジエーターグリルはただエンジンを冷却するだけではなく、本来ラジエーターグリルが必要無い電気自動車にもブランドイメージを象徴するフロントエンドが採用され、デザインが進化しています。


こちらが初めてラジエーターグリルを搭載した1900年メルセデスベンツ35PS
当時自動車黎明期だった時代にエンジンの冷却は最も難しい課題の一つでした。
そこでエンジニアだったマイバッハは1897年に発明した管状のラジエーターでした。
これは、車が走行するときに空気が流れる、前部から後部に延びる開放端のパイプを備えた狭い水タンクで構成されていました。クランクシャフトによって駆動されるファンは、エンジンがアイドリングしているときでも冷却システムが作動し続けることを意味しました。より強力なエンジンを容易にしたのは管状ラジエーターでした。
1900 年にメルセデス 35 PS に搭載されたハニカム ラジエーターが大きなブレークスルーとなりました。
それは、一辺が約 6 mm の正方形の断面を持つ 8,000 本以上の小さなパイプで構成されていました。
角パイプによって提供されるより大きな前面面積とより高い気流により、大幅に多くの冷却力がもたらされました。
それらをはんだ付けして、統合されたタンクを備えた新しい種類の長方形のラジエーターを作成しました。
ラジエーターの後ろにあるファンは、低速走行時の温度調節を改善しました。
最初のメルセデスの 35 PS エンジンは、以前の 18 リットルの代わりに 9 リットルの水しか必要としませんでした。
1 年後、さまざまな改善が行われ、わずか 7 リットルまで減りました。

次に大きく進化したのが1931年メルセデス・ベンツ170(W15)でした。
これまで剥き出しだったラジエーターを保護する為にグリルの後ろに取り付けられる様に改良されました。
エレガントな丸みを帯びた長方形のフォルムは、ラジエーター本体をベースにしています。
品質と時代を超越したエレガンスのメッセージを伝える幅広のクロムフレームによって強化されました。
ラジエター自体を汚れや石などから守ってくれます。汚れたラジエーター フィンはきれいなフィンよりも冷却効果が低く、石の衝撃で損傷し、エンジンがオーバーヒートする可能性がありました。

1950年台にはスポーツカーの顔として300SLに新しいラジエーターグリルのデザインを作ります。
ラジエーター開口部の前に大きなメルセデスの星が取り付けられ、横のクローム フィンが側面に配置されました。このデザインは、スポーツカーやロードスターの特徴となり、クラシックなメルセデス ラジエーター グリルと同様に時代を超越した永続的なものであることが数十年にわたって証明されました。
現在のグリルのデザインは様々な形状で個性的に進化しブランドのアイデンティティとその認知価値の点でユニークなまま120年以上に渡りどの時代においても常にメルセデスベンツである事を明確に認識できる様になっています。

こちらが電気自動車のEQシリーズのラジエーターグリル。
BEVには車輌前部に冷却の為のラジエーターグリルは不要になりましたが、EQという新しいモデルを象徴とするデザインにする為、ブラックパネルを採用しヘッドライトと融合したデザインになっています。
このブラックパネルの中には自動運転に必要不可欠な超音波、カメラ、レーダー、Lidarセンサーなどが組み込まれています。
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